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概要

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沖縄高専発 島の生物学沖縄工業高等専門学校独立行政法人国立高等専門学校機構National Institute of Technology, Okinawa College<お問い合わせ先>沖縄工業高等専門学校総務課研究連携推進室〒905-2192 沖縄県名護市字辺野古905番地TEL:0980-55-4070(直通) FAX:0980-55-4012E-mail:skrenkei@okinawa-ct.ac.jp沖縄高専では恵まれた立地を活かし、琉球列島に生活する動植物の生物学的研究を活発に行なっています。今回はそうした「島の生物学」の中から、サンゴ・ダニ・植物に関する研究を紹介します。 私は、さんご礁を形づくる硬い骨格を持つイシサンゴ類、みなさんが「サンゴ」と呼んでいる生き物を研究対象にしています。このサンゴですが、全世界で約800種が確認されており、沖縄には何と400種が生息しています。サンゴを見に毎年大勢の人が沖縄にやって来ますが、観光資源としてだけではなく、サンゴは魚を始め他の生き物たちの棲み場所や餌場を提供する縁の下の力持ちとして非常に重要な役割を担っています。しかし、最近は地球温暖化や海洋酸性化によりサンゴの数が激減しており、世界中の研究者がさまざまな視点で、いろいろな手法を用いてサンゴの減少を食い止めようとしています。私の研究室ではサンゴの繁殖・生殖に焦点を当て、水温が高い状態が続いたときにサンゴの産卵や受精にどのような影響が出るのか、また、多くのサンゴ種で数が減っているにも関わらずたくさんみられるサンゴは他とは違う繁殖をしているのか、などを調べています。(生物資源工学科 磯村尚子) 私の研究対象は、土の中で落ち葉を分解するササラダニです。ダニと聞くと「人の血を吸う嫌な虫」と思われるかもしれませんが、ササラダニは森の分解者として、無くてはならない存在です。そんなササラダニ、種の多様性がとても高いことで知られ、日本で800種以上が報告され、うち約300種が琉球列島に生息していることが分かっています(ヒトだけでなくダニにとってもパラダイスなのかもしれません)。これまでの研究で沖縄から3新種を報告しましたが、まだまだ終わりは見えません。ひょっとすると、あなたの足元に新たな発見が潜んでいるかもしれません。(生物資源工学科 萩野航) 琉球列島にはここでしか見ることができない「固有種」を始め、多様な植物が生育しています。そんな植物の花や花粉を介した繁殖システムについて、同じように温暖な気候である小笠原諸島やハワイ諸島に生育する近縁な植物との比較研究を行っています。花の形や雄しべ・雌しべの機能、花にやってくる虫や鳥たち、さらには植物に含まれるDNAを詳しく調べることで、それぞれの島々でこれまでに起こってきた進化の物語を解き明かしていきます。(技術支援室 渡邊謙太)サンゴをめぐる島の生物学見えない働きもの~ 土壌ダニ類の世界~琉球列島に生育する植物の生物学OKINAWA INDUSTRIAL FEDERATION NEWS 10