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産業総合技術研究所九州センター(産総研九州センター)主催で12月16日、沖縄県を含めた沖縄・九州8県の工業連合会が集い産総研九州センターとの連携を深めることを目的に「テクノブリッジフェアin九州」が佐賀県鳥栖市で開催されました。 会場は佐賀県の鳥栖市民文化会館と隣接する産総研九州センターにおいて「テクノブリッジフェアin九州」が開催されました。産総研九州センターの見学、研究成果の紹介、特別講演会、沖縄・九州8県の各工業連合会の代表と産総研の理事長との意見交換会が行われました。 各団体の参加者は会場到着後、産総研九州センター事務局の案内で、九州センターの研究室を見学。 最初に、半導体製造システム機器「ミニマル」の開発研究室へ。従来、半導体を製造する工場は投資額5,000億円と言われています。その投資規模を5億円程度までに減額し半導体製造をコンパクト化(ミニマルファブ構想)する取り組みをおこなっています。半導体を超高速で製造する※半導体製造システム機器(ミニマル)を開発し、その機器の必要個数で、クリーンルームを必要としない半導体の製造(小さな半導体を作る工場:ミニマルファブ)を可能としました。これまでの半導体工場における投資・運転コストを減額し、半導体の多品種少量生産を可能とするものです。今後の製造業に大きな影響を与える研究と思われます。 次に、薄型センサーの開発研究室を見学。従来のセンサーは高温な箇所への設置が困難なため、石油コンビナートでの火災や漏洩に対してセンサーの設置、監視が困難でした。研究中の薄型センサーは高温に対応できるセンサーで、火災が予想される箇所に設置ができ、さらには微少な亀裂も発生する特徴的超音波を異常信号として検出が可能とのことです。これまで困難であった箇所へも設置が可能となり高温で重大事故に至るコンビナート火災等において事前に予防措置がとれるというこれまでにない画期的なセンサーです。 九州センターの研究室の見学後、文化会館ホールにて講演会へ参加。特別講演会では、世界の産業ロボット市場において14%のシェアを占める㈱安川電機執行役員の熊谷 彰氏による「新たな産業自動化革命を実現する安川電機の挑戦」を演題とした講演でした。 ㈱安川電機は1915年創業で当時は、炭鉱の採掘が盛んな北九州で、石炭を運ぶベルトコンベアーからのスタート。その後、時代は石炭から鉄鋼へ鉄鋼向け高炉用電気機器の事業へ移り、そこで培ったモーター開発とその制御技術をもとに自動化機器の開発に移行、時代のニーズを得て1970年頃から産業ロボットに着手。1977 年には日本初の産業用ロボットを開発しました。高度成長期には自動車産業に溶接・塗装などに活用され、現在では、液晶パネル・半導体の製造で多くの産業ロボットが導入されています。今後は食品・医療・バイオ分野への市場導入を考えているとのこと。 さらに、㈱安川電機は2025年ビジョンとしてIoT・AIとITシステムを取り組んだ産業ロボットが稼働する工場自動化をめざし、社会の持続化に向けたSDGs活動と連携させ、社会に新たな付加価値を生み出したいと今後の計画を語っていました。講演後、ステージにおいて沖縄・九州各工業連合会の代表によって、各団体の事業内容が紹介されました。 その後、九州センター会議室へ移動し各団体と産総研の中鉢良治理事長と意見交換を行いました。各県において共通な課題である若者の県内離れや人材不足と継承問題について各団体と意見を交わしました。中鉢理事長は若者や人材をつなぎ止めるには、中小企業の活性化が重要であり、そのためには産総研を活用して欲しいと語り、産総研と連携のある各県の工業技術センターを窓口に産総研を大いに利用していただきたいと述べていました。 その後、九州センターのホールにて交流会が行われ各県工業連合会代表及び企業と産総研の研究員一同、懇親を深め、参加者は産総研への期待を募らせ会は終了しました。テクノブリッジフェア in九州令和元年12月16日(月) 佐賀県 産総研九州センター産業総合技術研究所中鉢良治 理事長沖縄県工業連合会古波津 昇 会長㈱安川電機執行役員 技術開発本部熊谷 彰 部長意見交換会※半導体製造システム機器(ミニマル): 超高速で半導体を加工製造し、小型クリーン機(局所クリーン化)が内蔵された機器。OKINAWA INDUSTRIAL FEDERATION NEWS 4