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R3HB生産技術と応用研究 生分解性プラスチックの原料をはじめ、幅広い分野で用途が期待されているR3HBの生産方法を開発し、その特許が登録されました。この技術の実用化にむけた取り組みや応用研究についてご紹介します。 工業技術センターは、県内製造業への技術的支援を通して産業の活性化に貢献することを使命として事業に取り組んでいます。「製品の開発に関して技術的なアドバイスがほしい」、「製品の品質を上げたい」、「研究開発の支援がほしい」などの技術課題解決や新製品・新技術開発の支援が必要な場合にはお気軽にご相談下さい。沖縄県工業技術センター 企画管理班〒904-2234 沖縄県うるま市字州崎12番2 TEL:098-929-0111 FAX:098-929-0115 E-mail:kousi@pref.okinawa.lg.jp(メルマガを始めています。申し込みはHPからも行えます) ホームページ:http://www.pref.okinawa.jp/site/shoko/kogyo/index.htmlR3HB の高濃度生産が可能な沖縄産海洋細菌を発見!R3HB の高純度結晶R3HB 含有樹脂の試作品 R3HB(β-ヒドロキシ酪酸、(R)-3-ヒドロキシ酪酸)は、人間の体内でも生産・利用されている物質で、糖質制限食を行ったときにエネルギー源として利用されるケトン体のひとつです。糖の代替としての役割以外にも様々な疾病の予防や治療に関する研究が行われており、認知症の改善や2型糖尿病の抑制等についての効果が報告されています。また、R3HBの重合体は自然環境中で分解する生分解性プラスチックとして知られており、樹脂原料としての研究も数多く行われています。しかしこれまではR3HBの大量生産が困難だったために、これらの用途開発も進展していませんでした。 そこで当センターでは生産技術の開発に取り組み、微生物を使った生産方法の特許を今年5月に取得しました(特許第6521243号)。この方法は沖縄の海から分離した独自の微生物を用いるもので、従来よりもはるかに効率よくR3HBの生産が可能になりました。また、特許技術以外にも発酵生産に関する様々なノウハウや発酵液からの精製技術を開発し、高純度なR3HBの大量生産が可能になりました。実際に当センターで試験生産した高純度R3HBはキロ単位で共同研究先へ提供しており、用途開発研究が進められています。 さらに今年3月にはR3HBの製造販売事業を目的とした新興企業が県内に設立され、製造技術の移転を進めているところです。上述したようにR3HBは生分解性プラスチックの合成原料として注目されており、樹脂開発を行う国内外のメーカーへ販売を予定しています。プラスチックによる海洋汚染問題に対する解決策のひとつとして生分解性プラスチックへの代替が必要ですが、海洋中で分解する生分解性プラスチックは多くないため、分解性の高いR3HBを原料とした新しい樹脂の開発が求められています。当該新興企業もR3HBの販売事業と並行して樹脂開発や生分解性評価技術の開発を行っており、当センターも協力して開発を進める計画です。沖縄発の技術でR3HB生産事業の実用化や新たな生分解性プラスチックの開発に貢献していきます。砂糖など23 OKINAWA INDUSTRIAL