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揮することが知られています。 リュウクスでは、このフライアッシュに含まれる「未燃カーボン」を高熱処理し、1%以下に低減。不純物を取り除くことで品質をより安定化させた高品質コンクリート混和材「加熱改質フライアッシュ」を製造販売しています。これはあらゆるコンクリート構造物に利用できるそうです。リュウクスは「フライアッシュの加熱改質装置及び焼成方法」で特許を取得しており、またリュウクス製造高品質フライアッシュは「沖縄県産品マーク」の表示許可も取得しています。 謝花一成代表取締役は、「弊社では、ほかに『粉体の分級装置及び分級システム』、『琉球漆喰製品および琉球漆喰製品を使用した建築用タイル』などでも特許を取得しております。今回、開邦工業に製造していただく新型分級機パイロットプラントも弊社の特許技術を活用しました」と説明。 もともとリュウクス設立の経緯は、塩害によるコンクリートの早期劣化問題と石炭灰の埋立てによる環境問題の改善が目的でした。沖縄は特に塩害や紫外線の影響でコンクリート構造物の早期劣化が著しく、補修など経済的負担も大きかったため、謝花代表は高品質フライアッシュを利用してコンクリートを補強して負担を軽減することで沖縄県民の将来の余裕につながればと考えました。今回の新装置開発も「沖縄で培ってきた技術をメイドイン沖縄として県外に発信したい」と意欲を語ります。 リュウクスでは加熱改質したフライアッシュを粒度ごとに分別し、改質Ⅰ種、改質Ⅱ種、改質Ⅳ種に分級していますが、これには大きな装置が必要でした。しかし、新装置は高さ約3メートル、幅5メートルと従来の製造装置より大幅に小型化しています。円筒形のサイロ内に特殊形状の固定羽根を使い、これまで難しかった微粒子の取り出しを可能にしました。また県外出荷を見据えて、サイロと架台を組み合わせる設計を考案したことで、輸送が便利になり、設置工事の負担もかなり軽減できたそうです。「使用する羽根は弊社の特許技術を活かし開発しています。フライアッシュを加熱処理して分級するにあたり、取り出す微粒子の割合を自在にコントロールできるよう羽根の角度を設計したのがポイントです」 謝花代表取締役によれば、新型分級機の電気使用量は従来の10分の1に抑制し、高品質フライアッシュの1時間当たりの製造量はこれまでの2倍の1トンになったそうです。「新型分級機はコンパクトにしたことで設置費や電気代などのコストを抑えつつ、製造効率は2倍に高まっています。これは共同で製造開発してくれた開邦工業の高い技術力あってのことです。実用機の完成に向け、より処理能力を高めるための稼働実験は続けていきます」 リュウクス製造の高品質フライアッシュは、コンクリート混和材としてのみならず、ゴムや樹脂などの補強材としても注目されつつあります。それにより、新型分級機は火力発電所やコンクリート製造会社だけでなく、ゴムおよび樹脂の製造会社といった新しい取引先にも販売を見込んでいるのだとか。「弊社は沖縄振興開発金融公庫をはじめ、県の育成支援事業など、いろいろな補助制度を活用して成長してきました。取得した特許技術の実用化にも、ようやく手ごたえを感じ始めた段階です。これからさらに開発を進め、県外、海外にも弊社製品を広めるべく取り組んでいきます」株式会社リュウクス本社工場外観県外・海外への普及も視野3 OKINAWA INDUSTRIALFEDERATION NEWS