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琉球大学工学部後援会からのお知らせInformation建築構造学研究室について琉球大学工学部 工学科建築学コース・准教授 中田幸造k-nakada@tec.u-ryukyu.ac.jp 本研究室では,「震前・震後対策の基礎研究成果を実用化し,強くしなやかな社会の構築に貢献する」をビジョンに掲げ,以下の研究に日々取り組んでいます。 沖縄県の建物は,個人住宅を含めてほとんどが鉄筋コンクリート(RC)造であり,湿気対策,車社会,米軍基地による土地の狭小さ,全国一小さい地震地域係数などから,RC造ピロティ建物の全建物に占める割合は他の都道府県に比べて極めて高い状況にあります。この状況は,沖縄県が平成28年熊本地震と同程度の地震に見舞われた場合,熊本地震での多くの木造住宅の被災事例が,沖縄県ではそのままRC造ピロティ建物の被災に置き換わるのではないかとの極めて憂慮される事態となっています。本研究では,高強度棒鋼でRC柱をあらかじめ強く締め付ける「能動横拘束」を用いた経済的・構造的合理性を兼ね備えた耐震補強法の実用化とその普及を目指し,実験的検証と理論の構築を行っています(耐震補強法の特徴は下図参照)。 本震の後には余震が発生し,また,H28年熊本地震や1997年鹿児島県北西部地震では,大きな地震が連続しました。本研究では,高強度緊張材(アラミド繊維)の能動横拘束によって地震で損傷したRC柱の「ひび割れを閉合」し,損傷RC柱の耐震性能を復活させ,被災RC造建物の応急補強技術の確立を目指しています。 CB塀は設計規準(建築基準法施工令第62条の8,あるいは学会規準)を遵守すれば強固な塀となりますが,罰則もなく,また,施工が単純であるため,安易に建設されています。地震時のCB塀倒壊の要因のほとんどは,設計規準を遵守していないことによるものです。2013年度からのCB塀の調査の結果,図2のように,法令に適合しているCB塀はほとんどないことが明らかになっています。(1)高強度棒鋼による能動横拘束を活用した袖壁タイプ耐震補強法の開発(2)高強度緊張材の能動横拘束を用いた損傷RC柱の耐震性能復活法に関する研究(3)沖縄県下の既存コンクリートブロック(CB)塀の構造実態調査と耐震診断写真1 損傷RC柱(左)と応急補強RC柱(右) 図1 圧縮実験の結果(左)と水平加力実験の結果(右)図2 法令不適合なCB塀の割合※ :材料試験による無損傷コンクリート強度ひび割れ閉合連絡先: 琉球大学工学部工学科内米須章(電気システム工学コース)/山里将朗(電子情報通信コース)〒903-0213 沖縄県中頭郡西原町千原1番地 TEL.098-895-8692(米須)/098-895-8679(山里) FAX.098-895-8708σB【E-Mail】kouenkai-office@ml.tec.u-ryukyu.ac.jpOKINAWA INDUSTRIAL 10FEDERATION NEWS