ブックタイトルKOUREN642
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KOUREN642
設立から10年後の昭和50年10月、現在の西原町に工場を移転し、同年12月から工場の操業を開始しました。以降、「遠心力鉄筋コンクリート管」、「プレテンション方式遠心力プレストレストコンクリートくい」などの工業規格表示認定工場となり、設備増設も次々と行われました。昭和63年には、工業標準化実施優良工場として沖縄開発庁から表彰されています。 また、近年の主な出来事として、平成26年の「コンクリートフロート(浮桟橋)」の沖縄県産品マーク取得、「NS側溝」の特許取得、平成28年「ボックスカルバート製品フライアッシュ配合」を下水道製品として追加取得したことなどが挙げられます。フライアッシュは石炭を燃焼する際に副産される微粒な石炭灰で、コンクリート混和材として配合することでコンクリートのひび割れ抑制や耐久性向上を図ることができます。リウコンでは沖縄電力が排出した石炭灰を使用しており、産業廃棄物の有効利用につながっています。 リウコンの高品質コンクリートフロートは、発泡スチロールの周りにフライアッシュを配合した繊維入り複合コンクリートをコーティングしています。取材に対応した大城盛和常務取締役、比嘉盛勝専務取締役、品質管理部の上間和美係長によれば、「弊社では特殊配合の高品質コンクリートを通常より板厚を薄くすることで軽量化に成功しました。フライアッシュを使用したことで長期強度の増進やアルカリシリカ反応抑制効果が見られ、耐久性、水密性、化学抵抗性も向上しています。簡単に言えば、耐久性に優れ、軽いので施工も楽になり、かつ設置後のメンテナンスがいらなくなりました」 コンクリートフロートは自重があるため水中に半分沈み、安定して揺れが少ないのだとか。FRP(繊維強化プラスチック)製品だと軽すぎて水面に浮いている状態になり、そのため波の影響を受けやすく揺れが大きくなります。「弊社製品は水面から一定の高さを維持するので干満による差もありません。船の乗り降りや水面上の歩行空間の確保が可能です。現在、県内外のマリーナや漁港、ダム河川等に設置しています」 県内では平成26年に西原与那原地区の中城港湾に設置しており、海が荒れても台風が来ても安定していて、安心して使えると喜ばれているそうです。ほかにも福岡県、山口県、広島県、愛媛県、香川県、高知県、大阪府などに納入しています。 近年では海外展開も視野に入れており、実際に沖縄県からの支援を受けて「高品質コンクリート二次製品等の海外展開支援に係る状況調査事業」を進めています。海外企業との大規模商談会にも参加し、手ごたえを感じたと上間係長。「メイドインジャパンブランドの信頼の高さを背景に弊社製品の特長を説明し、よりよい質の高さを知っていただきました」 特に沖縄と同じく海に囲まれた台湾からの反応が良く、今年3月29日には、同事業の一環として台湾の国立台湾海洋大学にコンクリートフロートを寄贈しています。実際に使用してもらったところ好評で、これを機にさまざまな現地企業と商談を進めているそうです。「沖縄から、県産コンクリート二次製品を県外や海外へ発信していきたい」と未来への意気込みを見せるリウコン、今後の活躍に注目です。沖縄県産コンクリートフロートを本土、海外へ販路拡大主力製品のコンクリートパイルと大城常務リウコン株式会社 本社工場5 OKINAWA INDUSTRIALFEDERATION NEWS