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りました。 はじめに、産総研九州センターの坂本満所長が登壇。産総研および九州センターの概要と代表的な研究成果について、また、連携の試みとして企業と共同研究を進めている太陽光パネルのパフォーマンス解析等についてご紹介がありました。坂本所長は「技術的な問題点を明確にするということが第一。腹を割って『実はこういう問題を抱えている』とお話し下されば、すでに技術を確立している他社への仲介も可能ですし、産総研の評価手法を用いて最短距離で商品開発をサポートできる」とし、息の長い連携関係を構築して地域発のイノベーションを起こしていきましょうと呼びかけました。 次に、産総研から研究員の山下健一氏が「人工知能と機械学習、使うための準備と実例の紹介」と題して講演を行いました。黒毛和牛の繁殖で高いシェアを誇る沖縄の農業分野でも活用が期待される事例として、牛の生体状況を常時モニタリングできる技術(農林水産省委託プロジェクト)について紹介し、国内の牛の繁殖性が下落傾向にあるという課題について、農家が『何月何日にどの作業をしたら良いのか』という具体的な行動内容を割り出した成果についてお話し下さいました。山下氏は「ディープラーニングやベイジアンネットワークで得たデータを活用する上で大切なことは『求めている答えは何なのか?』という共通認識をしっかり構築することと話し、集めた多種多様な情報から何を選択し、どうデータへ反映させるのかという点では、強いリーダーシップが求められる」と、入口と出口の明確な設定が研究を進める上で重要なポイントだと述べました。 さらに、県内でもAI・IoTを用いたイノベーションのシーズが芽吹いている現状についても事例報告がなされました。 まず、琉球大学と連携した人材育成や自動運転技術の開発に取り組むLiLz(リルズ)株式会社の大西敬吾社長が、琉大で実施しているenpit(エンピット)のサービス設計の授業について講演を行いました。大西氏は「プロダクトマネージメントと技術の両輪で課題を解決することの重要性について学生たちへ発信している」と話しました。また、学生を巻き込んで企業と共同研究を進める沖縄高専情報通信システム工学科の神里志穂子准教授が、地元企業のニーズを聞き取って進めている「IoTを活用した植物工場での生育好適環境のパラメーターの可視化」研究について講演を行い、企業と年間を通して共同研究を行う中で、学生たちは貴重な社会経験を積み上げているとし、「企業の方から『これは使えない』その言葉を頂くのが最高の教育だ」と語りました。 今回のセミナーには約70名の方々にご参加いただきました。当連合会では、引き続きAI・IoTについて学ぶセミナーを開催予定。セミナーを活用して理解を深めていただき、県内のものづくり企業のさらなる高度化・活性化につなげていければと考えております。セミナー終了後、坂本所長(右)はじめ講演者と参加者間で積極的な名刺交換が行われました。AI・IoTセミナーの開催についてセミナーのテーマについて・1回目AIメーカーによる製品紹介とその活用事例・2回目建設現場・建設資材・エネルギーリサイクル等の分野におけるAI活用・3回目一般食品・機能性食品・バイオ等の生産・製造におけるAI活用開催頻度 3回程度沖縄県工業連合会では、県内ものづくり産業の高度化と活性化に資するためのセミナ一を開催する予定です。ぜひご参加ください。平成30年8月・11月、平成31年2月頃を予定※テーマは変更することがあります。9 OKINAWA INDUSTRIALFEDERATION NEWS