ブックタイトルkouren638

ページ
23/28

このページは kouren638 の電子ブックに掲載されている23ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

kouren638

種麹の写真(石川種麹店提供)製麹工程 泡盛の特徴の一つは、黒麹菌が使われていることです。麹菌は米のデンプンやタンパク質などを分解する酵素を作ります。分解されて得られた糖分などを原料に、酵母がアルコールをつくり、香りや味の元となる成分をつくります。また、クエン酸を多く作る特性があり、それによりpHが低くなるので、泡盛もろみは雑菌に汚染されることなく酵母のみが繁殖することができます。つまり黒麹菌は泡盛醸造において、酵母菌の活躍を支える「縁の下の力持ち」的な役割を演じています。そのため酒造では麹を造ること(製麹)が最も重要な工程であり、そのスタートとなる種麹の品質が大きく影響するのです。この種麹を沖縄県内で唯一製造しているのが、石川種麹店です。 製麹では温度や蒸し米水分を制御することで、麹菌胞子の発芽→菌糸の生育→酵素やクエン酸の生成が促されます。種麹の特徴を知ることで、この制御を効率よく行うことが出来ます。 石川種麹店の種麹を用いて製麹試験を行った結果、以下の特徴があることが判りました。1. 種麹の品質(胞子数・発芽率)は一年を通して安定している。2. 石川種麹の種麹は米の蒸し具合に大きく影響され、外硬内軟またはやや柔らかめの蒸し具合で麹菌がよく生育し、酸度や各酵素の生産も良好となる。3. 麹菌の生育状況とデンプン分解酵素の相関が高く、生育状況を指標に、酵素の生産量を予測することが可能。  詳細はセンター報告書に掲載しています。泡盛に限らず県産種麹を利用した製品開発などに、ぜひご利用ください。 工業技術センターでは、県産種麹の需要拡大を目的として、唯一の県産種麹メーカーである石川種麹店の種麹特性について検討を行いました。泡盛醸造における黒麹菌の役割と石川種麹の特徴についてご紹介いたします。工業技術センターは、県内製造業への技術的支援を通して産業の活性化に貢献することを使命として事業に取り組んでいます。「製品の開発に関して技術的なアドバイスがほしい」、「製品の品質を上げたい」、「研究開発の支援がほしい」などの技術課題解決や新製品・新技術開発の支援が必要な場合にはお気軽にご相談下さい。沖縄県工業技術センター 技術支援班、企画管理班〒904-2234 沖縄県うるま市字州崎12番2 TEL:098-929-0111 FAX:098-929-0115E-mail:kousi@pref.okinawa.lg.jp  (メルマガを始めています。)ホームページ:http://www.pref.okinawa.jp/site/shoko/kogyo/index.html沖縄県産種麹の特徴工業技術センターだよりInformationOkinawa IndustrialTechnology Center温度時間21 OKINAWA INDUSTRIALFEDERATION NEWS