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琉球泡盛文化の未来 今年から、11月は「泡盛月間」である。泡盛の進化・深化を期待して「泡盛の良さ」をPRし、消費増大につなげたい。私は、沖縄にUターンする前は、東京の自由が丘で特許事務所を構えていたが、近所の酒屋さんの小母さんに、貴方だけよ泡盛を買う人は、と言われたので、「また買うから、泡盛を追加しておいてね。」と頼んだほどだ。 仕事で長野の工場によく出張したが、帰りは仕事を終えた安堵感から、アルコールが入るのが楽しみだった。しかし、泡盛は無いので、本土の日本酒を飲まざるを得なかったが、日本酒は口当たりは良い反面、飲み過ぎると頭が痛くなった。 健康の本に書いてあったが、泡盛は日本酒より健康に良いという。だから、頭が痛くなることも無いのだろう。東京大学の坂口謹一郎博士が「君知るや 名酒あわもり」と言って絶賛する理由がよく分かる。 このような「名酒泡盛」だから、PRに工夫を凝らして、泡盛の良さを多くの人に実感させ、常に進化させる必要があろう。ストレスを感じたときは、泡盛を飲んで気持ち良くなり、厭な思いを発散させるのが真先だ。 このように健康にも好適な泡盛の文化を表現すべく、泡盛を入れたビンが常に揺れ動く仕組みを考案し、特許を取得した。泡盛の味を古酒(クース)のように、美味しくするには、長期間寝かせるのがよいとされている。また、中国に行く進貢使を乗せた進貢船で泡盛を持参したところ、船の揺れで泡盛が熟成されて美味しくなっていたということから、泡盛を海中に沈めて波で揺らしたり、モータで揺らす技法が特許等として出願された。 私の技法も泡盛を揺動させる手法だが、泡盛は常に進化することをPRでき、しかも極めて安価に実現できるのが特長である。すなわち、写真①のように、発泡スチロールで下面を凸円弧に成型すると共に上面は泡盛ビンが丁度入る窪みを形成するだけである。この窪みに、泡盛の入ったビンを押し込んでおくと、ビンを置くたびに、発泡スチロールのホルダーの下面が凸円弧で不安定なため、ビンが揺動してしばらくは中の泡盛も揺れ動いて熟成が進む。不安定ホルダーの外形を、進貢船の形状に成型しておくと、波で船が揺れて泡盛の熟成が進み味も美味しくなることを、物語りとして説明できる。 船の揺れ動く動作は、酒気帯び運転はダメよ、と警告しており、泡盛は健康増進の効能は有るが、飲み過ぎはダメよ、と暗示している。また、泡盛文化は常に進化し続けており、止まることは無いことを示唆している。 味や香りにしても、シークワサージュースの絞り粕を泡盛やモロミ酢に漬けて味や香りを付けることで、泡盛やモロミ酢に変化を加えるなど、泡盛自体も絶えず進化を模索している。名酒泡盛は弛まず進化し続けて、沖縄の泡盛文化の発展をアピールしたい。福島特許事務所 所長 福島 康文写真①成形された発砲スチロール進貢船の形状に成型された不安定フォルダー9 OKINAWA INDUSTRIALFEDERATION NEWS